なるべく目立たないように矯正治療がしたい!
これは仕方のないことだと思います。裏側矯正、インビザライン、といった矯正装置はそのためにあるのですから。けれど、メリットがあればデメリットも共存するというのが世の常で・・・(後発の方法が従来の方法に比べてメリットが増えるだけであった場合、従来の方法は淘汰されるのです)
裏側矯正、インビザライン、ともに費用が高額になる、治療できる症例が限られる、といった傾向を有しています。そのため、表側矯正が矯正治療の主役の座を他の矯正装置に譲るまでには未だ至っていません。
そこで、表側矯正でもなるべく目立たない治療を実現するために様々な工夫が凝らされてきました。代表的なものは、皆さんも目にしたことがあると思いますが”透明なブラケット”です。セラミックなどの素材でできています。これはもう随分前から使用されていて、最近では金属のブラケットを見かけるほうがむしろ少ないくらいです。
ところが、矯正装置のもう一つの柱であるワイヤー(針金)に関してはなかなか上手くいきません。今日はその辺の話をちょっと詳しくしてみたいと思います。
表側矯正はブラケットと針金を組み合わせて行います。どちらも白い、あるいは透明なものでできれば目立たないのです。ブラケットに関しては金属をセラミックで代用することで白色化に成功しました。ブラケットというのは矯正の針金の弾性力を歯に伝える土台の役目を果たします。例えて言えば・・・・、そうそう、弓矢を想像してください。一般的には弓の部分は木製です。でも、金属でも、ガラスでも、とにかく堅いものなら一応は代用可能ですよね?ところが、弦というのは弾性がなければいけませんからおいそれと代用が出来ないのです。弦を透明にしたいからガラスで作ってください、といっても無理ですよね?
矯正治療の場合には弓がブラケット、矢が歯、弦がワイヤー、という関係になります。ですから、ブラケットというのは極端に言えば、金でも、銀でもセラミックでも、プラスチックでも、成型可能で、ある程度の硬さがあれば実は何でもいいのです。最近では人工サファイヤでできた宝石ブラケット!なんていうのを売り文句にしているものもあります。
・ ・・サファイヤの主成分は酸化アルミニウムです。これはセラミックの主成分でもあります。酸化アルミニウムに不純物として鉄が加わり、緑青色を呈するとサファイヤ(宝石として取引可能なサファイヤ)と呼ばれ、チタンが加わり赤色を呈すとルビーと呼ばれます。つまり、人工的に作った白色のサファイヤなど何の価値もないのですが(普通の鉛筆をダイヤモンド鉛筆といっているようなものですね、鉛筆の芯もダイヤモンドも炭素製??ですから)、それをありがたいと感じるならばそれはそれで個人の自由ですネ、笑)
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