抗生物質について調べていたら神戸大学教授の岩田健太郎先生のブログを見つけました。
本題とは関係ありませんが、コピペしてアドレスの長さに驚きました。感染症の医師だけにアドレスのゲノム解析でもしてるのでしょうかw
それにしても岩田先生は1971年生まれなんですね。若い!写真を見る限り見た目も若いですし。教授回診とかいって岩田先生が現れても患者さんはキョトンとしてしまいそうです。
それはともかく、さすがに感染症の専門家だけあって勉強になりました。ただ、できれば以下の2点についてもう少し突っ込んで解説していただきたかった。
1点目は
「フロモックスもメイアクトもとても吸収が悪い、体の中に入っていきにくい抗生物質です。ですから、同じセファロスポリンでもぼくはケフレックスのような比較的昔のものを使います。昔のものだとダメかとおもいきや、さにあらず。(古い)ケフレックスのほうがずっとずっと体の中に入って行きやすいのです」
という部分。フロモックスやメイアクトなどは第三世代のセフェム系抗生物質、ケフレックスは第一世代のセフェム系抗生物質です。
ケフレックスのほうが体内に吸収されやすいということは分かりましたが、そもそも第一世代のセフェム系抗生物質が処方されなくなったのは耐性菌が多く出現してあまり効かなくなってきたからだと思っていました。
いくら体内に吸収されても耐性菌ばかりで効かなければ意味がないと思うのです。
体内に吸収されやすいか否かの切り口だけではなく、耐性菌との関連も含めてどちらが有効であるのか?そのあたりをもう少し説明してほしかったです。
2点目は
「例えば、歯医者さんの使う抗生物質は口の中にある菌だけ殺せばいいのに、フロモックスやメイアクトはお腹の中にある菌まで(不要に)殺してしまいます。」
という部分。主旨は理解できますが、口腔内に抗生剤を局所投与するというのも非常に難しい気がします。
皮膚科なら塗り薬、眼科なら点眼薬として処方できますが口腔内は常に唾液が還流していますし、食事もしますから抗生剤を局所に留めておくことが難しいから経口投与しているのではないでしょうか。
もしかしたらスポンジかなんかに抗生剤を含ませて口腔内の創傷部位に貼付するということが有効なのでしょうか。ただ、抜歯窩などはそういったことも可能でしょうが、歯科治療の多くは「欠損部を充填する医療」ですから物理的に不可能であることも多い気がします。
1点目もそうなのですが、解決策が示されていないのがなんとも残念。折角ですから問題点と共にその対処法も具体的に教示してくださるとさらに有益な情報源になると思うのですが。
ともかく岩田先生の
99・9%が誤用の抗生物質 医者も知らないホントの話 (光文社新書)
を注文しちゃいました。宣伝じゃないですよw
まんまと策略に嵌められた気がする、、、、