村上水軍の娘を読んだので、それなら九鬼水軍も読まなきゃ不公平でしょ、ってことで。
村上水軍の娘は史実はほとんど関係ありませんが、こちらは信長~関ヶ原まで、中央政界の史実を追いながら九鬼水軍がどのように絡んでいたかを説明していくような感じで物語が進みます。
ただ、元来3万5千石、関ヶ原後に5万5千石に増加されたされた程度の小大名ですから、そもそもそんなに華々しい活躍をしていないのではないでしょうか。活躍していれば大大名になっているわけですから。そして、おそらく、
⇒活躍していないから何をしていたかの資料があまり残っていない
⇒それなら徹底的にフィクションにすればいいのにそれはしない
⇒中央政界の小説なのか九鬼水軍の小説なのかよくわからない
という残念な結果に。特に主人公である九鬼守隆はwikipediaを見ても記述が極めて少なく、よくこんな人物を主役にしようと考えたな、と感心するほど。まだ、守隆の親父の嘉隆なら資料がありそうですが。
600ページ近い大作でもあり、少々読み疲れました。歴史小説って史実に忠実過ぎるとつまんないのかも。事実は小説より奇なりってのは滅多にないんでしょうね。
written by 所沢市 東村山市 清瀬市近くのアクイユ矯正歯科クリニック