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歯列矯正治療中の痛みについて(3)

歯列矯正治療中の痛みについて、三回目は臨床的な経験則をもとに痛みの質を考えます。

歯列矯正治療中の痛みに関する臨床的な経験則?

“矯正装置の機械的刺激による痛みを感じた患者様は、次回予約日を待たずに痛みを主訴として再来院されることが多い”

歯列矯正治療中に痛みを訴えて来院される患者様の多くは、痛みが生じている部分を明確に示します。例えば「右上奥の頬のあたりが痛いです」とか、「舌の左側が痛いです」といった具合です。歯根膜由来の痛みの特徴である「かむと全体的に痛い」という訴えで予約日以前に来院されることはあまりありません。このことから以下のようなことが推測されます。

機械的刺激による痛み=局所的な我慢できないほど強い痛み

炎症に起因する痛み=痛いことは痛いが我慢できないほどの痛みではない(病院に行くほどではない痛み)

これを鑑みて前回の患者様による痛みの感想を考えてみると、「すごく痛かった」「最初はかなり痛かった」の中に若干、機械的刺激による痛みに対する感想が含まれているかも知れませんが、その多くは炎症に起因する痛みに対する感想と考えて良いのではないでしょうか(注:機械的痛みを感じて来院された患者様には、私も「痛みはどうでした?」という漫然とした質問はしません。もっと具体的に、例えば「前回お痛みのあった左上の装置はどうですか?」といった質問の仕方をするので前回示した感想の中に機械的痛みに関する回答はあまり多くは含まれていないと考えています)

歯列矯正治療中の痛みに関する臨床的な経験則?

“炎症に起因する痛みを、治療開始当初はかなり強く訴えた患者様でも、3ヶ月もするとあまり痛みを訴えなくなる”

この原因としては、どのような痛みであるかがわかったことと、痛みに対するコントロールの仕方がわかったことが大きいと思われます。痛みの性質がわかっていると、その心構えがあるので同じ強さの痛みであっても、最初ほど痛みを感じなくなっている可能性があります。また、矯正治療日から数日の間は固いものを食べないようにする、あるいはあらかじめ痛み止めを服用することで痛みの発生を抑えるなどの痛みに対するコントロール方法を上手に利用していると考えられます。

次回からは歯列矯正治療中の痛みに対する具体的な対応策について書いてみたいと思います
歯列矯正 飯能 秩父 三芳