今回からは歯列矯正治療中の痛みに対する具体的な対応策を書いてみたいと思います。
PART1〜矯正装置による機械的刺激から生じる痛みに対する対応策
?ワイヤーエンド
ワイヤーエンドとは奥歯に付けたチューブといわれる矯正装置から出ているワイヤー部分の事を指します。
上の写真の青い○で囲んだ装置がチューブといわれるもので、赤い矢印で指した部分をワイヤーエンドといいます。診察を終えた直後はこのようにチューブからワイヤーが出ていないか、折り曲げているか、いずれにしても頬に引っかからないように処置されます。ところが、1,2週間後、以下の写真のようにワイヤーエンドが伸びてくることがあります。
上の写真の赤い矢印で指した部分が伸びてきたワイヤーエンドです。こうなると多くの患者様は”頬に針金が引っかかる”のを自覚するようになります。ではなぜワイヤーエンドは伸びてくるのでしょうか??
拙い作図で申し訳ありませんが、歯列矯正を始めた当初の歯並びは多くの場合凸凹していますから、ワイヤーもそれにあわせて曲がった状態です(下図緑線)。ところが、治療が進むにつれて歯並びが整い、同時にワイヤーも真っ直ぐになってきます(下図赤線)。この、曲線と直線のワイヤーの長さの差が、奥歯のチューブの後ろから伸びてくるのです。ですから、一般的には治療の初期段階ほどワイヤーエンドが伸びてきます。
対処の方法
望ましいのは歯科医院でカットしてもらうことです。短時間で終わる処置ですし、確実です。なかなか歯科医院に行く時間が割けない場合にはブラケットガードという粘土のようなもので対応すると良いでしょう。
上の写真がブラケットガードです。粘土のようなもので、他にワックスとかブレースガードなどの呼び方もあります。これを必要量ちぎって下図のように装置に押し付けます。
ブラケットガードは、他にも歯列矯正治療中の機械的刺激による痛みに対して広範囲に使用できます。
次回も今回の続きです。矯正装置の機械的刺激による痛みが生じ易い部分を提示しながら対処方法を書いてみます。
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