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ベジタブル&フルーツマイスター~世界の資格②~

 

この資格は日本ベジタブル&フルーツマイスター協会が認定する資格です。この前のきのこアドバイザーは日本特用林産振興会という団体が認定する資格で半民半官といった雰囲気ですが、この日本ベジタブル&フルーツマイスター協会というのは完全な民間企業のようです。

ベジタブル&フルーツマイスターにはジュニアマイスター、マイスター、シニアマイスターというランク付けがあります。マイスター以上の資格を取得すると”野菜ソムリエ”といえるそうです。もちろんやるからには野菜ソムリエの称号を目指すわけですがともかくは初級レベルのジュニアマイスターから始めなければお話になりません。

ジュニアマイスターの資格を取るにはコースを受講する必要があります。12時間の講義を7回受講し、筆記試験にパスすることで晴れてジュニア・ベジタブル&フルーツマイスターの資格が取得できます。

例によってザザーッと受験条件を見てみると、まず目に付くのが受講料の高さです。受講費用:133350円とあります。2時間の講義×7回+筆記試験で13万円超というのは少々高すぎるのではないか??という気がします。

今はもう少し高いでしょうが、僕の大学時代の授業料は半年で169800円でした。大学の授業料と比べても意味が無いという向きもあるでしょうから前回のきのこアドバイザーと比較してみます。

きのこアドバイザーは一週間泊り込みで、講義から国有林での実習までのカリキュラムを組んでいますが、こちらの受講料は1週間で2万5千円です。

いや、待てよ・・・、受講料というのはトドのつまり人件費。大学や予備校の授業のように1人の講師が多数の生徒を同時に教育できる場合は生徒1人頭の受講料は安くなるし、実技科目で1人の講師が少数の生徒しか教育できない場合は高くなるものだ。だとすれば講義内容を見なければ高いか安いか判断は出来ないな・・・。

そう思っていろいろ調べていたら・・・
通信講座(DVD)有り:受講料133350円・・・
この団体の意図が僕にはハッキリと見えました。これ以上は言いませんけど。

カリキュラムの中身を覗いてみると・・・

一回目の講義は”ベジフルコミュニケーション”という授業のようです。

 

ベジフルコミュニケーションの講義内容(ホームページより転記)

《マイスターには青果物の知識だけではなく、知識を相手にわかりやすく伝えるためのコミュニケーション力も求められます。そのためには対人コミュニケーションのみならず、日頃から青果物に接する中で(=青果物とのコミュニケーションの中で)感じた感動を自分の言葉で表現する力が必要になります。この講座では上記の2つのコミュニケーション力とともに、青果物から得られる新しい発見に感動する力、そしてその感動を表現する力を養います》

これが2時間の講義内容のようです。たった2時間でお野菜と感動的なコミュニケーションをして、素敵な言葉で表現できるようにならなければなりません。僕には至難の業といえましょう。その前に当院のスタッフと潤滑なコミュニケーションをとれるようにならなければなりません。

 

その後、ベジフル入門(野菜や果物の品定め)、ベジフルサイエンス(野菜と健康の関係)と講義があり、最終回はベジフルクッカリーという講義です。

 

ベジフルクッカリーの講義内容(ホームページより転記)

《野菜料理のレパートリーを増やすためのスキルアップを目指します。野菜料理を作る楽しさを再確認し、品種や作型などの違いに対応した料理コーディネーション能力習得を目指します》

 

これまたたった2時間で野菜料理の技術を向上させるという無理難題を受講生に投げかけます。初心者ならジャガイモの皮を剥いている間に2時間が過ぎてしまいそうです。

 

なんだか随分とテキトウな資格であることが大体分かってきました。これは日本ベジタブル&フルーツマイスター協会を運営するための資格のようです。受講生のための資格ではありません。受講料は日本ベジタブル&フルーツマイスター協会に対するお布施のようなものといっても過言ではないでしょう。次の修了規定にその精神を読み取ることが出来ます。

 

修了規定(ホームページより転記)

1・講義全7回中4回以上出席していただくこと。(4回欠席すると修了試験を受けていただくことができません。)

2・課題を提出していただくこと。

3・修了試験に合格していただくこと。

 

さて、まず気になるのが言葉遣いです。すべての項目で”いただく”とあります。普通は”すること”です。これが教育に重点をおいた資格なら

 

1・全ての講義に出席すること。病気等、特別の事情で出席できない場合にはその旨申し出ること。

2・教官に与えられた課題を提出すること

3・修了試験に合格すること

 

となるはずです。試験する側が受ける側に媚びている試験など聞いたことがありません。

さらに出席回数が7回中4回でOKというのは一般的には考えられない世界です。言葉尻を汲み取ると「授業料をいただいちゃったからには資格をあげないわけにもいかないんです。乱発したところでフグの調理師免許と違って他人に迷惑をかけることもないし、どうせ参加賞に毛が生えた程度の資格なんだから、お願いだから出席して、ちゃんと勉強して受かってください」ということなのでしょう。

 

勝手に評価

取得難易度:*

日常生活役立度:***

お洒落度:****

お布施度:*****

寸評

国家資格でもなく、資格を持っていたからといって就職の役に立つというわけでも無さそうです。あくまで趣味の資格といえます。この資格を取得して有効に活用するのは一般的には難しいと思われますが、容姿端麗な女性が取得した場合には絶大なる付加価値を生み出す可能性があります。その点、博打的性格を帯びた山師好みの資格といえるでしょう。

また、地味な活用法として、女性や子供に理解しやすい資格を取得することで父親の威厳を取り戻したいお父さんにもお勧めです。

 

興味のある方はこちら⇒日本ベジタブル&フルーツマイスター協会

 

(MSゴシック#10)

 

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