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田舎へ帰ろう(2)

参考・・・田舎へ帰ろう(1)

 

鹿児島で生活するのは夏の間だけ。当時の記憶で思い浮かぶのは蝉の鳴き声と、蟹。

ジージーザワザワ・・・カサカサ・・・

季節的なこともあり、どこに行ってもミンミン、ジージー蝉だらけ。海水浴に行く途中に通り抜ける林の中など、蝉のあまりの大合唱に怖くなって逃げ出したくなるくらいだった。

 

それでもその帰り道、家屋がある辺りは比較的静か。日暮れとともに蝉の鳴き声もまばらになる。

 

ところが蝉がいなくなったと思って気分よく歩いていると、気分が良いのは僕だけじゃあない。蟹も気分よく日向ぼっこを始めているのだ。

 

蟹は暑い昼間は石の下などに隠れて出てこない。夕方の涼しい時間になると蝉と入れ代わりで活動し始めるのだ。

田舎は動物、昆虫にとっても楽園。

 

海水浴の帰り道、浮き輪を付けたまま帰り道を歩いていると、どこかの家屋の角を曲がった瞬間・・・

・・・道が一面朱色に染まっている・・・

無数の小さい蟹で道が埋め尽くされている。蟹の種類は知らない。4,5センチだから、さわ蟹かなんかだろう、とにかく、ものすごい数の蟹が家屋の周りを取り囲む用水路という用水路からぞろぞろ這い出てきてぶくぶく泡吹きながらこっちを睨んでいる。そして、僕と目が合った瞬間・・・

 

シャワシャワシャワシャワーー・・・

 

という涼やかな足取りで、また用水路やら、塀の隙間に逃げ隠れるのだ。

 

怖くて逃げ出したいのはこっちの方だったのだが、普段、親戚連中に「ちっちゃいね、ちっちゃいね」、と言われてる割には大人の風格が漂っていたのかもしれぬ。

僕に威圧されたかどうか知らぬが蟹が去ってくれて一安心。あのタイミングで、あの大群がすべて自分めがけて正面歩きでもしてこようものなら泡吹いて卒倒してしまっただろう。どっちが蟹だかわかりゃしない・・・・

それにしても蟹が横歩きしか出来ないのは僥倖であった。今縦歩きの蟹を見つけたら「新種の蟹発見!!」と、即座に一儲けの方策に頭を悩ますだろうけど・・・・。

 

最後に訪れたのはもう15年も前のこと。こんな九州の南端に位置する田舎町ですらほとんど蟹は見かけなくなっていた。
母が幼少の頃は毎年ウミガメの産卵を見ることが出来たそうだ。僕は卵の殻だけは一度見たことがあるけれど。今はどうなっているのだろうか・・・

 

*おまけ

九州の南端というのは以外に知らない人が多いのではないでしょうか。日本の南端なら沖縄県になってしまいますし、気候も中途半端で砂浜が白くないのでリゾート地にもなりきれず、土地は痩せていてサツマイモしか育たない。踏んだり蹴ったりの土地といってもよいでしょう。そんな可哀想な薩摩半島南端をどうやって説明したらいいのだろうか??と思っていたらいいものを見つけました。枕崎に薩摩酒造(白波という焼酎を造っています)という会社があります。このホームページを見れば日本の九州南端がどんなところなのかなんとなくわかっていただけるかもしれません。酒の製造過程ばっかり・・・と思うかもしれません・・・、でも実際そんな土地です、それくらいしかないんだから、あと有名なのは鰹節(枕崎)・・・くらい??

http://www.satsuma.co.jp/top.html

 

川越 清瀬 東久留米 矯正歯科