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オレンジ

スーパーの軒先にみかんが並び始めた。八百屋の軒先、と書いたほうが風情があってよろしいのだけれど近所にある八百屋というか果物屋らしき店は傍からみても人影薄く薄暗く、どうにも繁盛しているようには見えない。新鮮さが命の八百屋であるからこれではとてもじゃないが覗いてみようという気にはならない。

ちなみにその隣にある酒屋は出前をしてくれるので利用したことがある。「500mlの烏龍茶6本ください」と頼んだら500mlは無いというので、2リットルの烏龍茶を6本買ってしまった。2本にすれば良かったのだけれど人の良さそうなおばあちゃんらしき声で「あ~~、ウチには2リットルしかないんだよ」と言われたから「じゃあ、2リットルのでいいです」と返事してしまったのだ。
その後しばらくは朝から晩まで烏龍茶ばかり飲んでいた。冗談抜きでフィンガーボールみたいに手洗いにでも使ったろかと思ったくらいだ。

さて、みかんを英語にするとOrange。品種が違うとかいうのはご勘弁。
このOrangeという単語は幸運にもハイソサエティーなご両親の元に育てられた人を除けば通常、中学校1年生で学習することになる。中学校の英語教師が得意気に「オゥーレンジ」とかいっていたあれだ。今思えば短い思春期の貴重な時間に「オゥーレンジ」を小汚い教室で連呼していたのだから馬鹿馬鹿しいというより他にない。
馬鹿馬鹿しいのだが、クラスメートの「オゥーレンジ」の大合唱の最中、僕は相当に動揺していた。発音はともかく「Orange」という綴りが全くもって理解できていなかったのだ。

小学6年生でローマ字というものを学ぶと思うのだけれど、あの時はみかん=Mikanだったはずなのだ。かりにオレンジというカタカナにしたってOrenjiになるのが当たり前ではないのか??正直に言って、僕はこのとき本当に動揺していた。ローマ字が英語だと思っていたし、そのお陰で英語なんてたいして難しくないと思っていたから相当な衝撃であった。

小学2年生のときに、海外の子供達と触れ合おう、みたいな企画があってそれに僕の両親が参加させてくれた。当時の気分的には参加させられたというほうが正しいが今思えば参加させていただいたということだ。
ハイ粗な我が家としては清水ものの決断であったろう。そんな親の気持ちは知らないし、説明されたところでわかりやしないのだけれど、とにかくその後、そこで知り合ったアメリカ人の女の子と一度だけ手紙の遣り取りをしたことがある。僕はローマ字が英語だと思っているし、当時僕の母親はそれについて何も言わなかった(思えばこれが問題の根幹だ)。
とにかく「KONNITIWA  MATAASOBIMASHOU」みたいなことを書いたんだと思う。当然通じていると思っていたし、それに関して何の疑いも持っていなかった。で、返事が着た。何が書いてあったかなんて覚えてないけれど「Hello・・・」から始まる英文を見て「こいつは馬鹿だ」と思ったのは紛れもない事実である。

まあそれだけの話なんだけどみかんを見てふと思い出しました。

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