先日、釧路発~羽田着便の最終便の機中、羽田上空にて着陸15分前を告げる機内アナウンスで目が覚めた。
思えば機内は騒々しい。乗ればシートベルトを締めろ、トイレはどこそこ、本日の客室担当は**、到着地の天候**気温は**だのアレコレ。
ちょっとするとCAさんが新聞、ひざ掛けはいりませんか?とにこやかに一回り。
ようやく静かになって眠りかけると今度はお飲み物のサービスとかで起こされる。
寝ていたって隣の客に「お飲み物はいかがでしょうか?暖かいものでスープ、コーヒー、冷たいお飲み物でしたらオレンジ、リンゴ、ゆずのジュース、烏龍茶がございますが」とか長々と説明している間に目が覚めてしまうのだ。
しかもご丁寧に「ただいまお飲み物のサービスをいたしましたが、お休みのお客様にはお声をお掛けしませんでした。御用の際には客室乗務員にお声をお掛けください」とアナウンス。
寝ている人にアナウンスしてもしょうもない。静かにして欲しい。
そんなこんなでようやく寝付いても、着陸15分前になると、「当機はまもなく着陸態勢に入ります。シートベルトをおしめください。また、背もたれ、クラスJのお客様はフットレストを元の位置にお戻しください」とか言いやがる。座席を元に戻させるより、そんなことしなくていいように上手いこと着陸してくれよ・・・。
羽田上空の夜景は綺麗だ。高層ビル群は都会のエネルギーを感じさせてくれるし、首都高速の光の線は幻想的だ。
そうかと思えば突如として真っ暗になる。そう、ここは羽田沖、海の上なのだ。
ポツリポツリとタンカーの明かりが見えたかと思うと次第にその数が増えて賑やかになる。
空から見れば1年前の景色と何も変わっていないのに、世間はやたらと冬景色だ。
それにしても・・・さっきから視界をさえぎる黒いものは何だ??
ずっと気になっていた。寝ぼけているからぼんやり見つめていたのだけれど、なんだか盆栽の松の木の枝みたいに横に広く広がるぼんやりしたものがしきりに視界から夜景をさえぎるのだ。
黒くてもやもや、こんもりしている。輪郭はハッキリしない。黒くて、その中に入ると光が消える、、、
「あっ、、、雲・・・」
そう、雲だ。夜、雲を上空から見下ろすと黒いのだ。光がなければ色はない・・・。太陽は偉大だ。地球に生命を育み、我々に色まで教えてくれる。暗黒の世界では生きていても楽しくはないだろう。
そして着陸が迫ると、ようやく白い雲が見えてきた。人工の明かりに照らされて下の方が白く、上の方は黒い、ちょっと変な雲だけど・・・。
いつも見ている景色も真反対から見てみると、ちょっと違った景色が見えるかもしれませんね。