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アベノミクスは失敗だったというけれど、、、

衆議院選挙が近づいてきました。私は信条として特定の政党を支持しているわけではありませんが、今回の選挙は消去法で自民党に投票するつもりです。

民主党は自民党の粗探しくらいしかやることがないので盛んにアベノミクスが失敗だったと喧伝していますが、まともな対案すら用意できないのですからよもや勝つことはないでしょう。今の民主党に政権運営能力がないのは先の与党時代に明らかになっていますし、大方の予想通り自民党が圧勝すると思います。

先日は新所沢駅前ロータリーで民主党の候補が演説していました。通りがかりに数十秒聞いただけですが案の定、「アベノミクスのようなばら撒きをやっていてはダメだ。我々民主党は上が引っ張り上げるような社会でなく、下から底上げするような社会を目指しています」とかなんとか言ってました。

だったら数年前に結果を出してくれれば良かったのに・・・・散々失政した民主党の言い分なんてアホらしくて聞く気にもなりませんでしたが20人位は立ち止まって耳を傾けていましたから辻立ちってのも案外馬鹿に出来ないのかもしれません。

さて争点のアベノミクス。消費税増税先送りに賛成しておきながら増税先送りせざるを得なくなったのはアベノミクスが失敗したからだと分けのわからん批判をする民主党を筆頭に、アベノミクスを批判する人は政治家にしろ経済評論家にしろ円安の弊害について論じることが多いように感じます。もう一方の株高にはケチを付け難いですからおのずと功罪両方あるにせよ円安の罪の部分に焦点を当てて批判の対象にしているようです。

ただ、素人の私の単純な疑問として、、、2007年以降2012年までず~っと円高だったけど、その頃の日本って今より良い国だったのか??って思うのです(そのうち民主党政権は2009年9月~2012年12月。つまり民主党政権時代はずっと円高時代だった)。

歴史上のドル円の最高値は2011年10月31日の75円32銭。時の総理大臣は民主党の野田佳彦。

さて、野田総理の時代は良い時代だったと思い出す日本人はどれだけいるのでしょうか??

円安は良くないのかもしれません、、、だけど、、、円高だった時代にだって良い記憶はありません・・・・

*下図は1971年以降のドル円長期チャート
kawse.png

アベノミクスを批判する人は、「今の日本は円安で利益が出るような産業構造ではなくなっており、円安によって輸入品の価格が高くなりインフレが進むデメリットの方が大きい。インフレによって年金生活者のような弱者の生活は破たんする」といいますが、私はどうもこの理論に納得がいかないのです。

そもそも日本は好き好んで円安で利益がでない産業構造になったのではないでしょう。長く続いた円高に耐え切れなくなってやむを得ず国内の生産拠点を海外に移転しただけのはずです。その結果、国内の雇用が海外に流失してしまいました。

それを、今は輸出型の産業構造ではないから円安はメリットがないというのは、例えるならば「もう泥棒に入られた後だから戸締りをしてもしょうがない」と言う理屈と似ておかしいと思うのです。

このまま円安が続けば短期的には輸入品の値上がりなどのデメリットも目立つでしょうが、長期的には海外に移転した工場が国内に回帰してくるはずです。そして国内に雇用が生じ、元の製造業を中心とした日本の姿を取り戻すことができると個人的には思っています。短期的なデメリットを懸念して本質を見失うのは馬鹿げているのではないでしょうか。

それから、お叱りを受けるのを承知で言うと、年金生活者の生活云々に関しても納得いきません。今、年金を受け取っている人は現役世代に比べて遥かに年金面で優遇されています。私も人並みに毎月社会保険料を納めていますが、何歳から受け取れるのか?いくら支給されるのか?が政治家のさじ加減ひとつでコロコロ変わるような状況です。下手したら年金機構が破綻して支給されなくなるかもしれません。そんな「無駄払い感」をヒシヒシと感じながら毎月納めています。支給されるかされないかすら判らない将来の年金のために社会保険料をせっせと納付している現役世代に比べれば今の年金受給者は遥かに恵まれていると思うのです。インフレによる年金額の目減りくらい日本の将来のために我慢してくれと言いたくなります。

さらに、年金受給者にとってインフレは敵といいますが、歴史を振り返ればいつの時代でも同じだったではないかというのもあります。
現役世代はインフレ率以上の収入増があるならインフレでも構わないけど、隠居後はインフレよりデフレが良いに決まっている。江戸時代だってそうだったはずです。
それでも、世界中、どこの国でも長期的にはず~っとモノの値段は上がってきたし、そうやって経済は発展するもの。それが普通の状態。なのになんで今の恵まれた年金受給者のインフレだけ心配しなきゃならないのか意味が解らない。

過去10年に渡って続いた円高でも全く日本の景気は良くならなかった。円安に反対する人には、過去10年の円高時代に日本経済が回復しなかった理由を説明したうえで、今から円高にしたらこれまでの円高局面と違ってどんな点で日本経済が良くなるのか説明していただきたいです。

円安で日本が良くなるのかわかりません。当然為替の問題だけではないでしょうし。だけど、円高でダメだった日本を散々見せつけられてきましたから。

話は変わりますが、どこかで政府・日銀は本当に景気が良くなったら困るというような記事を読みました。国債金利が上がると国債の利払いが増えて国の財政が破綻するから本格的に景気が良くなって金利が上がるような状況は困る、と。一理ありますが、だとすると日本が辿る道は

金融緩和⇒インフレ、景気回復⇒国債金利が上がると困るので、消費税増税で景気の腰を折る⇒不景気⇒金融緩和⇒インフレ、景気回復⇒消費税増税で景気の腰を折る⇒不景気⇒金融緩和、、、そのうち累積したインフレ率によって税収が上がり、政府の債務が実質的に減少して財政再建。

ハッキリ言ってロクな解決法ではないと思います。国民が長期にわたって負担を強いられますし。でも、こんな方法しかソフトランディングする道は残されていないんじゃないでしょうか??とにもかくにも日本政府が国民一人当たり800万円の借金を抱えてしまっていることは事実で、これは今の現役世代~年金世代が未来の世代から前借して使ってしまったようなもの。ハードランディングは避けたいけれど、ここまできたらこれすら針の穴を通すより難しい状況なのかもしれません。

アベノミクスがいよいよ行き詰ってしまえば民主党が政権を取るかも知れませんけど今の民主党に状況を好転させるほどの人材がいるとは思えません・・・、人材で解決するような状況ではないのかもしれませんけど・・・・

written by 所沢市、狭山市、入間市 近くのアクイユ矯正歯科クリニック